良い学習習慣を身につけよう!

Develop good study habits!

 ひとは習慣によってつくられる。自分の習慣をコントロールしないかぎり、ひとは環境にかんたんに左右されてしまう。君のいる環境が良い環境であるなら、君は知らず知らずのうちに良い習慣を身につけるだろう。だが、君のいる環境が悪い環境であるなら、君はいつのまにか悪い習慣に染まってしまうかもしれない。
 良い習慣も、悪い習慣も、身につく過程は、ほとんど同じである。たとえば、「しきたり」は、社会や文化に共通してみられる行動様式であるが、その「しきたり」が良いのか悪いのかは、明確ではない。日本にも、世界にも、「しきたり」はたくさんある。「しきたり」は、過去に「してきたこと」の延長であり、現在や未来において、必ずしも従う必要はない。良い「しきたり」なら続けてもいいだろうし、悪い「しきたり」なら、断然、やめるべきだろう。
 さて、「しきたり」も、「習慣」も、けっきょく、「してきたこと」なのだ。つまり、君が「してきたこと」が、君の習慣になっている。
 大人を例にとれば、「タバコを吸ってきた」大人が愛煙家になる。「お酒を飲んできた」大人が酒飲みになる。「読書をしてきた」大人が読書家になる。「美味しいものを食べてきた」大人が美食家になる。
 君がゲームをやめられないのは、君が「ゲームをしてきた」からだ。君がスマホをやめられないのも、君が「スマホをしてきた」からだ。君がテレビをやめられないのも、君が「テレビを見てきた」からだ。
 ところが、学校や家庭や塾で、「学習をしてきた」はずなのに、君は、気軽に、すすんで学習することができない。ゲームやスマホやテレビのようにずっと続けて、保護者に叱られるくらい、どうして学習は習慣になっていないのだろうか?
 君たちに配布した小冊子※『人生が変わる学び方vol.2』にも書いたとおりで、「即行動」の有無が、その答えである。君は、ゲームをしたいな、と思ったとき、即座にゲームをしていないか。スマホが気になったとき、即座にスマホを操作していないか。見たい番組があったとき、即座にテレビのスイッチを入れていないか。お菓子が食べたい、ジュースが飲みたい、マンガが読みたい・・・そう思ったとき、即座に食べたり、飲んだり、読んだりしていないか。
 じつは、意識したことを即座に行動に移すと、それが快感になり、クセになり、習慣になり、やがてやめられないことになる。これは、脳の神経伝達物質ドーパミンの働きだ。「即行動」を起こすと、脳の側坐核からドーパミンが分泌されて、脳が「作業興奮」を起こし、これが気持ちいい。だから、ドーパミンを脳内麻薬の一種と見なし、「やる気ホルモン」とも呼ぶ。
 大人のタバコもお酒も、君たちのゲームもスマホもテレビも、ドーパミンを分泌させる。だから、快感になり、クセになり、習慣になり、やめられない。
 学習を習慣にする方法もまったく同様である。
 学習を意識したら、嫌も応もなく、即座に学習すればいい。いつでも学習できるように教科書や問題集を身近に置き、志望校やテストやライバルなど、学習に関わることがほんの少しでも意識に上がったら、即座に教科書や問題集を開き、学習するのだ。しばらく続けているうちに、学習することが快感になり、クセになり、習慣になる。  さあ、良い学習習慣を身につけよう!
 ※小冊子がご入用でしたら、各校舎にお申し付けください。

山手学院 学院長 筒井 保明